作業所(就労継続支援B型)の選び方|2か所まで同時に通えることを知っていますか

グループホームを探しはじめると、住まいのことで頭がいっぱいになります。けれど本人にとって、一日の大半を過ごすのは日中に通う場所のほうです。

その日中活動先——いわゆる作業所を選ぶときに、あまり知られていないことがあります。

作業所は、条件が合えば2か所まで同時に通えます。

私たちの家庭がこれを知ったのは、つい最近のことでした。担当の相談支援専門員も知らなかった、という状況からのスタートでした。

障害福祉サービスの制度は、市区町村によって運用が異なり、年度ごとに改定されます。とくにこの記事で扱う複数事業所の利用は例外的な取り扱いで、認められるかどうかは最終的にお住まいの市区町村の判断になります。必ず障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご確認ください。

まず、作業所にはいくつか種類があります

「作業所」と呼ばれている場所は、制度上はいくつかのサービスに分かれています。

どれに通うかは、受給者証に書かれているサービスの種類で決まります。まず、ご本人がどれの支給決定を受けているかを確認してください。

2か所まで同時に通える、という選択肢

ここからが本題です。

作業所は「どこか1つを選んで、そこに通う」ものだと思われがちです。実際、多くの説明はそう書かれています。

けれど制度上は、複数の事業所を同時に利用できる場合があります。

主な条件

すでにそのサービスの支給決定が出ていれば、日数の調整だけで済むこともあります。ただしあくまで例外的な取り扱いで、認めるかどうかは市区町村の判断です。

🔴 まず、聞いてみてください

大事なのはここです。

この選択肢は、向こうから提案されるとは限りません。私たちの場合、担当の相談支援専門員も知りませんでした。ご本人やご家族が「できますか」と聞いて初めて、確認が始まりました。

知らないことは、検索することもできません。だからこの記事に書いています。

なぜ、これが大きいのか

制度の説明としては「2か所使えます」で終わりです。けれど、実際に使ってみて分かったのは、これは「試し方」を変えるしくみだということでした。

今の居場所を失わずに、試せる

作業所を変えるという話になったとき、ご家族がいちばん怖いのは「今より悪くなったらどうしよう」ではないでしょうか。

長く通っている場所には、慣れた職員がいて、慣れた作業があります。それを手放して新しい場所に移り、合わなかったら——戻れる保証はありません。

けれど2か所使えるなら、今の場所を残したまま、新しい場所を試せます。合わなければ、元の日数に戻すだけです。

私たちの家庭では、長く通っていた作業所を週1〜2日残したまま、残りの曜日で新しい作業所を試しています。3か月ずつ、候補を順番に。最後に、本人が通い続けたい2か所を決める——そういう進め方をしています。

言葉で選べなくても、通った事実で選べる

これが、この方法のいちばん大きいところだと思っています。

「AとB、どっちがいい?」と聞いて答えられる方ばかりではありません。見学に行っても、その場では分かりません。「どう思う?」と聞くと、たいてい「うん」と答えてくれる。でもそれが同意なのかは分からない。

当サイトの 見学のポイントの記事 でも書いていることですが、言葉で確かめられないなら、事実で確かめるしかありません。

3か月通えば、事実が集まります。

これは見学の30分では分かりません。通った日数だけが教えてくれることです。

選ぶときに見ておきたいこと

工賃は、都道府県が公表しています

B型の工賃(作業に対して支払われるお金)は、事業所によって大きく違います。多くの都道府県が、事業所ごとの工賃実績を毎年公表しています。「◯◯県 工賃 実績」で検索すると出てきます。

ただし2点、気をつけてください。

公表されているのはその事業所の平均であって、ご本人がいくら受け取れるかとは別です。通う日数や作業内容で変わります。そして、工賃の高さと、本人が居心地よく過ごせるかは別の話です。数字は判断材料の一つとして見てください。

作業の中身が、本人に合うか

同じ「B型」でも、中身はまったく違います。軽作業が中心のところ、パソコンやデザインを扱うところ、飲食や農作業をするところ。「どんな作業か」ではなく「その作業を本人が続けられそうか」で見てください。

送迎・通院・余暇への配慮

意外と見落とされるのがここです。

住まいと日中活動を、同時に変えないでください

最後にひとつだけ。

グループホームへの入居と、作業所の変更が重なりそうになったら、できるだけ時期をずらしてください。

両方いっぺんに変わると、うまくいかなかったときにどちらが原因か分からなくなります。住まいが合わないのか、日中活動が合わないのか。切り分けられないと、次の手も打てません。

この考え方は 生活介護の記事 でも書いています。変えるのは片方ずつ。2か所使えるしくみは、この「片方ずつ」を実現するための道具でもあります。

相談先

お住まいの地域にどんなグループホームがあるかは、全国の障害者グループホーム一覧から市区町村ごとに探せます。

複数事業所の同時利用は例外的な取り扱いであり、可否・条件は市区町村によって異なります。またこのページは制度の一般的な説明と、一つの家庭での進め方をご紹介したものです。ご本人に当てはまる取り扱いは、必ずお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご確認ください。

障害者グループホームの食事|「痩せてよかった」と思う前に確かめたいこと

グループホームを探すとき、多くのご家族が資料で確認するのは「食事の提供あり」という一行です。

ほとんどのホームに、この一行は付いています。だから、そこで安心して次の項目に移ってしまう。私たちもそうでした。

けれど実際に暮らしはじめてから効いてくるのは、食事があるかどうかではなく、それがどういう形で出てくるかのほうです。そして、もし食事に問題があったとき、家族がいちばん気づきにくい理由があります。

この記事は、不安をあおるために書いたものではありません。ただ、私たち自身が見落としていた「気づけない構造」について、正直に書いておきたいと思いました。

障害福祉サービスの制度は、市区町村によって運用が異なり、年度ごとに改定されます。このページは全国共通の考え方を整理したものです。ご本人に当てはまる取り扱いは、必ずお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご確認ください。

食事の出し方には、大きく3つの形があります

見学で「お食事はどうされていますか」と聞くと、どのホームも「朝晩お出ししています」と答えます。そこからもう一歩踏み込むと、実際には次のように分かれます。

① 一から手作りする

世話人がホームの台所で調理します。献立も、その日の様子に合わせて調整しやすい形です。手間はいちばんかかります。

② 調理済みのものを温めて、お皿に盛り付ける

栄養士が献立を設計した食材が届き、ホームで温めて、器に盛って出します。いま、いちばん多い形です。

「手作りではない」と聞くと構えてしまうかもしれませんが、これは事業所の姿勢の問題というより、人手の問題です。夕方の忙しい時間に、数人分の食事を一から作り、同時に他の支援もこなすのは簡単ではありません。栄養の管理という点ではむしろ安定します。

③ お弁当が届く

外部から配達されたものを、そのままお渡しします。器に移すかどうかもホームによって違います。

そして現実には、朝食が菓子パンとパックのジュース、というホームも存在します。

どれが良い・悪い、ではありません

大事なのは、この3つは「食事の提供あり」という同じ一行にまとめられてしまうということです。

ご本人が食べることを楽しみにしている方なら、ここは暮らしの満足度を大きく左右します。逆に、食にこだわりが少ない方なら、他の条件を優先してよい部分でもあります。まず、違いがあることを知っておく。それだけで、見学のときの質問が変わります。

2024年に、食事をめぐる大きな事案がありました

2024年6月、障害者グループホームを全国展開していた事業者が、利用者から食材費を実際にかかった額より多く集めていたとして、愛知県と名古屋市から5事業所の指定取消処分を受けました。

厚生労働省は組織的な関与があったと判断し、いわゆる連座制を適用。12都県のおよそ99事業所が指定の更新を受けられなくなりました。影響を受けた利用者は約1,700人、過大徴収の総額はおよそ2億990万円と報じられています。

この件は、障害者虐待防止法でいう「経済的虐待」にあたると位置づけられました。

ここで注目したいのは処分の重さではなく、なぜ長い間、誰も気づかなかったのかのほうです。

なぜ、家族は気づけないのか

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

体重が減ると、親は喜んでしまう

障害のあるお子さんは、体重が増えやすい傾向があります。間食が止まらない、運動の機会が少ない、薬の影響がある——理由はさまざまですが、多くの親御さんが「太りすぎ」を心配しながら暮らしています。

だから、ホームに入ってから体重が落ちると、こう思います。

「よかった。ちゃんと健康管理してもらえているんだ」
「間食しなくなったんだな」

これは油断でも無関心でもありません。ずっと心配してきたことが解消されたように見えるから、そう読んでしまう。私たちも、同じ立場なら同じように思ったはずです。

けれど、体重が落ちる理由は他にもあり得ます。食事の量が足りていないという理由も、その一つです。

ご本人は、言葉で伝えられないことがある

「ごはんが少ない」と説明できる方ばかりではありません。伝えられない場合、変化は行動に出ます。

ところがこれらは、「いつものこと」に見えてしまう。もともと波のあるお子さんなら、なおさらです。

週末だけ帰る形だと、変化が見えにくい

月曜から金曜はホームと日中活動先、週末だけ家に帰る——という過ごし方は、ごく一般的です。けれどこの形だと、ゆっくり進む変化には気づきにくい。数か月かけて少しずつ痩せていく変化は、毎週会っていても分からないものです。

職員が声を上げるとは限らない

先ほどの事案でも、外から分かったきっかけは内部からの告発でした。働いている人が問題に気づいても、それを外に出すのは簡単ではありません。ご本人も家族も、外からは見えない。この構造が、発覚を遅らせます。

言葉ではなく、事実で確かめる

当サイトの見学のポイントの記事でも書いていることですが、確かめ方は同じです。「ちゃんとやっていますか」と聞いても、意味のある答えは返ってきません。事実として残るものを見ます。

① 献立表の日付を見る

見学のとき、台所や食堂に献立表が貼ってあるか、そしてそれが今の日付かを見てください。何か月も前のまま貼ってあるなら、運用が止まっている可能性があります。

② 実際の食事を見せてもらう

「先週の夕食はどんな内容でしたか」と聞いてみてください。写真を撮って記録しているホームもあります。紙に書いてあることと、実際に出ているものが同じとは限りません。可能なら、食事の時間帯に見学させてもらうのがいちばん確実です。

③ 体重を、家族の側でも記録する

これは入居してからの話ですが、帰宅したときに体重を測って、日付とともに記録しておくことをおすすめします。

減っているか増えているかを見るためではありません。「なんとなくの印象」ではなく数字で見るためです。急に落ちているなら、それは喜ぶ前に理由を確かめるべき変化です。

④ 見たこと/聞いたことを分けて書く

気になることがあったら、自分の目で見たことと、人から聞いたことを分けて記録してください。後から相談支援専門員や行政に相談するとき、この2つが混ざっていない記録は強い材料になります。

⑤ 第三者の情報を見る

WAM NETの「障害福祉サービス等情報公表システム」では事業所の届出情報が確認できます。また、行政処分を受けた事業所は各自治体が公表しています。担当の相談支援専門員は、複数の事業所を実際に見て回っているため、資料には出てこない事情を知っていることがあります。

それでも、誠実な事業所のほうが多い

ここまで読んで、事業所を疑ってかからなければいけないのか、と感じられたかもしれません。そうではありません。

限られた人手のなかで、食事の内容を工夫し、一人ひとりの様子を見ているホームのほうが、はるかに多いというのが実感です。手作りをやめて温めて盛り付ける形にしているホームも、それは手を抜いているのではなく、その分を別の支援に回している場合がほとんどです。

この記事を書いたのは、業界を批判するためではなく、「痩せてよかった」と思ってしまう自分自身の思い込みを、知っておいてほしかったからです。知っていれば、確かめられます。

迷ったときの相談先

気になることがあったとき、家族だけで抱え込む必要はありません。

「気のせいかもしれない」という段階でも構いません。確かめてから安心するほうが、我慢して見守るよりずっと健全です。

本記事で触れた事案の内容は報道および行政の公表資料にもとづいています。制度の取り扱いや相談窓口はお住まいの地域によって異なりますので、実際のご相談は市区町村の窓口・相談支援専門員へお願いいたします。

グループホームの退去|どんなときに出ることになるのか、入居前に聞いておくこと

グループホームを探しているとき、「出ていくことになったらどうするか」を考える方はほとんどいません。

やっと見つかった住まいです。そんな縁起でもないことを、と思われるかもしれません。

ただ、退去はまれな話ではありません。ご本人の希望で移ることもあれば、体調の変化で支援が合わなくなることもある。事業所の都合ということもあります。

このページでは、どういうときに退去になるのかと、入居前に確認しておくべきことを整理します。備えておけば、そのときに慌てずにすみます。

契約の内容や手続きは事業所ごとに異なります。制度の運用も市区町村によって違い、年度ごとに改定されます。実際の対応については、契約書の内容を確認したうえで、担当の相談支援専門員やお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口にご相談ください。

退去になる主な場面

ご本人の希望 ひとり暮らしへ移る、実家に戻る、別のホームへ移る。前向きな退去もあります
支援の必要度が変わった 加齢や病気で介護の必要度が上がり、そのホームの体制では支えきれなくなる
他の入居者との関係 共同生活なので、どうしても合わない組み合わせが生じることがあります
ご本人の状態の変化 強い不安や興奮が続き、職員体制では対応が難しくなる
入院が長引いた 長期入院になった場合の扱いは、契約で定められていることが多い部分です
事業所の都合 建物の老朽化、閉鎖、事業の縮小など。ご本人とは無関係の理由です

ここで押さえておきたいのは、退去の理由の多くは「本人が悪い」からではないということです。支援の必要度とホームの体制が合わなくなった、という話であることがほとんどです。

入居前に聞いておくこと

ここが、このページでいちばんお伝えしたい部分です。

見学のときに「どういうときに退去になりますか」と聞いてください。

失礼な質問だと感じるかもしれません。でも、まったく失礼ではありません。むしろ誠実な事業所ほど、正直に答えてくれます。「対応が難しくなるのは、こういう場合です」と具体的に説明できる事業所は、自分たちの体制を理解しているということです。

あわせて、次の点も確認してください。

これらは契約書と重要事項説明書に書かれています。契約前に必ず現物を見せてもらい、退去に関する条項を読んでください。口頭の説明だけで済ませないことです。

見学時に書面を確認する重要性は グループホームの見学で必ず見るべき10のポイント にも書いています。

実際に退去を告げられたら

動揺すると思いますが、順番に進めてください。

1. 理由を具体的に聞く

「なぜ難しいのか」を、できるだけ具体的に聞いてください。「対応が難しくなりました」だけでは、次の行き先を探す手がかりになりません。

夜間の体制なのか、医療的な対応なのか、他の入居者との関係なのか。その内容が、そのまま次のホームを選ぶ条件になります。

2. 相談支援専門員にすぐ連絡する

ご家族だけで抱えないでください。言われた言葉をそのまま伝えてください。要約や解釈を加えず、事実として何を言われたのかを共有するのが役に立ちます。

3. 期限を確認して、記録する

いつまでに出る必要があるのか。書面で示されているか。日付と、誰が何を言ったかを記録に残してください。

4. 短期入所などの受け皿を確保する

次のホームがすぐ見つかるとは限りません。短期入所(ショートステイ)に登録があれば、つなぎに使える可能性があります。登録も利用実績もない状態だと、急には使えません。

納得できないときの相談先

一方的だと感じたり、理由に納得できない場合、相談できる先があります。

事業所の苦情相談窓口 各事業所に設置が義務づけられています。連絡先は重要事項説明書に記載されています
担当の相談支援専門員 中立の立場で間に入ってもらえます
市区町村の障がい福祉担当窓口 指定した立場から事業所に確認してもらえます
運営適正化委員会 各都道府県の社会福祉協議会に設置されている、福祉サービスの苦情解決の第三者機関です

「お世話になっているのに苦情なんて」と考える必要はありません。これらの窓口は、そういうときのために用意されています。

退去は「失敗」ではありません

最後にお伝えしたいことです。

ホームを出ることになったとき、ご家族は「うちの子がうまくやれなかった」と感じてしまいがちです。

でも実際には、支援の必要度とホームの体制が合わなかったということがほとんどです。合わない場所に無理にとどまるより、合う場所へ移るほうが、ご本人にとって良い結果になります。

実際、ホームを移った先で落ち着いて暮らせるようになる方もいます。一度の入居で決まらなければならない、というものではありません。

まとめ

次に読む
・見学で書面を確認する方法は グループホームの見学で必ず見るべき10のポイント
・次のホームを探すときは 障害者グループホームの入居条件|断られるのはどんなときか
・つなぎの備えは 短期入所(ショートステイ)とは?困ってから探しても間に合わない理由

お住まいの地域にどんなホームがあるかは、全国の障害者グループホーム一覧から市区町村ごとに探せます。

契約内容や対応は事業所ごとに異なります。担当の相談支援専門員、またはお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口にご相談ください。

サービス等利用計画とは?遠慮して伝えると、控えめな計画になります

障害福祉サービスを使うとき、必ず作られる書類があります。サービス等利用計画です。

相談支援専門員が作ってくれるので、ご家族は「お任せ」になりがちです。役所に出す形式的な書類だと思っている方も多いと思います。

でも、実際はそうではありません。この計画は、ご本人がどう暮らしたいかを、制度の言葉に翻訳したものです。ここに書かれていないことは、制度の上では「必要ない」ことになってしまいます。

手続きの運用は市区町村によって異なり、年度ごとに改定されます。実際の進め方は、必ずお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご確認ください。

サービス等利用計画とは

どのサービスを、どのくらい、何のために使うのかを整理した計画書です。

市区町村はこの計画をもとに支給決定を行い、受給者証が交付されます。計画がなければ、サービスは始まりません。

誰が作るか 指定特定相談支援事業所の相談支援専門員。費用の自己負担はありません
いつ作るか サービスを申請するとき。内容が変わるときも作り直します
何が書かれるか ご本人・ご家族の意向、生活の目標、使うサービスと量、関わる機関、支援の方針など

「セルフプラン」という選択肢もあります

相談支援専門員に頼まず、ご本人やご家族が自分で計画を作ることも制度上は可能です。これをセルフプランと呼びます。

ただし、おすすめはしません。理由があります。

地域に相談支援事業所が足りず、やむを得ずセルフプランになっている場合もあります。その場合も、空きが出たら担当をつけてもらえるよう窓口に伝えておいてください。

作成のときに、遠慮せず伝えてほしいこと

ここがこのページの本題です。

相談支援専門員は、ご本人の生活を毎日見ているわけではありません。伝えなければ、計画には載りません。

ご本人が望んでいること 言葉にしにくい場合は、普段の様子から読み取れることで構いません。「この活動のときは表情がいい」など
ご家族が心配していること 将来のこと、体調のこと、お金のこと。不安をそのまま言葉にしてよい場です
いまできていること 支援があればできること、一人では難しいこと。「できる」と「一人でできる」を分けて伝える
いつまでに、どうしたいか 「3年以内にグループホームへ」など、時期を含めて伝えると計画が具体的になります
家族側の事情 ご家族の体調や年齢、介護の限界。言いにくいことですが、これは支援の必要度を判断する材料です

「こんなことまで言っていいのだろうか」と思うことこそ、伝えてください。遠慮して控えめに伝えると、そのまま控えめな計画になります。

これは障害支援区分の認定調査障害年金の申立書と同じ構造です。実情がそのまま伝わることが、結果的にご本人を守ります。

グループホームを希望している場合

計画に「共同生活援助の利用を希望している」と明記されているかを確認してください。

ここが書かれていないと、受給者証にも共同生活援助が入らず、見つかったホームと契約できません。

また、次のことも計画に反映してもらうと動きやすくなります。

断られた理由の聞き分け方は 障害者グループホームの入居条件|断られるのはどんなときか に書いています。

モニタリング(定期的な見直し)

計画は作って終わりではありません。定期的に相談支援専門員が状況を確認し、必要なら計画を見直します。これをモニタリングと呼びます。

頻度は状況によって決められます。この機会は、遠慮せず使ってください。

「次のモニタリングまで待たなければ」ということはありません。状況が変わったら、いつでも連絡してよいものです。

担当者と合わないと感じたら

相談支援専門員も人ですから、相性はあります。話を聞いてもらえていないと感じることもあるでしょう。

事業所を変えることはできます。市区町村の窓口に相談すれば、他の相談支援事業所を紹介してもらえます。

言いにくいことですが、この人と長く付き合うことになるのですから、率直に相談してよい部分です。

まとめ

次に読む
・受給者証のしくみは 障害福祉サービス受給者証とは?取得の流れと、障害者手帳との違い
・区分の認定調査は 障害支援区分とは?認定の受け方と、障害者グループホーム入居との関係
・入居条件は 障害者グループホームの入居条件|断られるのはどんなときか

お住まいの地域にどんなホームがあるかは、全国の障害者グループホーム一覧から市区町村ごとに探せます。

手続きの運用は市区町村によって異なります。お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご相談ください。

施設入所支援とは?グループホームとの違いと、待機が長いことへの備え

グループホームを探すなかで、「うちの子には、グループホームは難しいかもしれない」と感じる場面があります。

支援の必要度が高い、医療的なケアが要る、行動面で手厚い体制が必要——そうした理由で、受け入れ先が見つからないことは実際にあります。

そのときに視野に入るのが施設入所支援です。

先にお伝えしておきます。これは「グループホームに入れなかった人が行くところ」ではありません。必要な支援の量が違うだけで、上下のある選択肢ではありません。

利用の要件は市区町村によって運用が異なり、年度ごとに改定されます。ご本人が利用できるかどうかは、必ずお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご確認ください。

施設入所支援とは

障害者支援施設に入所して、夜間や休日に、入浴・排せつ・食事などの介護や日常生活の支援を受けるサービスです。

多くの場合、日中は同じ施設内やその近くで生活介護などのサービスを利用します。つまり住まいと日中活動が一体になっているのが特徴です。

グループホームとの違い

規模 グループホームは数名〜十数名。施設は数十名規模のことが多い
職員体制 施設のほうが夜間も含めて手厚い体制を組みやすい
医療との連携 看護職員の配置や医療機関との連携が、施設のほうが整っている場合が多い
暮らしの形 グループホームはまちの中の一軒家やアパート。施設は建物の中で生活が完結しやすい
日中活動 グループホームは外へ通うのが基本。施設は敷地内で完結することが多い
利用の要件 施設入所支援は障害支援区分の要件が高めに設定されています

区分のしくみと、認定調査で実情を正しく伝える方法は 障害支援区分とは?認定の受け方と、障害者グループホーム入居との関係 で整理しています。

「地域か施設か」という言い方について

福祉の分野では、「施設ではなく地域で暮らす」という方向性が制度の基本になっています。グループホームが増えてきたのも、その流れの中でのことです。

この考え方自体は大切なものです。ただ、当事者のご家族としては、こう感じることがあると思います。

「理念は分かる。でも、うちの子を受け入れてくれるところが、実際にない」

この感覚は、まったく正当なものです。理念と、目の前の受け入れ先があるかどうかは、別の話です。

大事なのはご本人にとって必要な支援が、実際に届く場所を選ぶことであって、形式ではありません。施設入所を選ぶことに、うしろめたさを感じる必要はありません。

待機が長いことを前提に動く

実務上、いちばん大きな課題がこれです。

障害者支援施設は、空きが出にくく、待機期間が長くなる傾向があります。地域によっては数年単位になることもあります。

ですから、次のように考えてください。

見学するときに確認したいこと

施設もグループホームと同じように見学できます。見るポイントは共通していますが、規模が大きいぶん、次の点は意識して見てください。

見学の考え方全般は グループホームの見学で必ず見るべき10のポイント と同じです。言葉ではなく、事実で確かめてください。

施設からグループホームへ、という道もあります

施設入所は「そこで終わり」ではありません。

施設で暮らしながら力をつけて、あとからグループホームへ移る方もいます。制度としても、そうした移行は想定されています。

逆に、グループホームで暮らしていた方が、加齢や体調の変化で施設へ移ることもあります。行き来があるものと考えておくほうが現実に合っています。

まとめ

次に読む
・サービスの違いの一覧は 共同生活援助とは?グループホームとの違いと、似た名前のサービスの見分け方
・日中活動については 生活介護とは?グループホームと日中活動をセットで考える
・急なときの備えは 短期入所(ショートステイ)とは?困ってから探しても間に合わない理由

お住まいの地域にどんなホームがあるかは、全国の障害者グループホーム一覧から市区町村ごとに探せます。

利用できるサービスや区分の要件は市区町村によって異なります。お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご相談ください。

宿泊型自立訓練とは?グループホームとの違いは「期限があること」

グループホームを探していると、相談の場で「まずは宿泊型自立訓練から」と勧められることがあります。

ここで、必ず確認していただきたいことがあります。

宿泊型自立訓練は、住まいではありません。期間の定めがある「訓練」のサービスです。

この違いを知らずに入ると、期限が来たときに行き先がなくて慌てることになります。このページでは、そのしくみと、使うべき場面を整理します。

利用の要件や期間の取り扱いは市区町村によって運用が異なり、年度ごとに改定されます。ご本人が利用できるかどうかは、必ずお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご確認ください。

宿泊型自立訓練とは

施設に宿泊しながら、家事・金銭管理・規則的な生活リズムなど、暮らしていくための力を身につける訓練を受けるサービスです。

日中は仕事や日中活動に出て、夜は施設に戻って生活する——という形が基本になります。

グループホームとの決定的な違い

共同生活援助
(グループホーム)
生活の場。期限はない。そこで暮らし続けられる
宿泊型自立訓練 訓練の場。期間に定めがある。いずれ出ることが前提

期間は原則1年とされ、必要と認められた場合に延長されることがあります。取り扱いは市区町村によって異なります。

つまり「入れたから安心」ではありません。入った時点から、次の行き先を考えはじめる必要があります。

どんな場面で使うのか

目的がはっきりしている場合には、とても有効なサービスです。

生活リズムを立て直したい 昼夜が逆転している、食事や服薬が不規則、といった状態を整える
家事の力をつけたい 調理・洗濯・掃除・買い物を、支援を受けながら実際にやってみる
ひとり暮らしの前段階として いきなりアパートではなく、支援がある環境で練習する
家庭の状況を一度リセットしたい ご家族との関係が行き詰まっているときに、距離を取りながら次を考える

精神障害のある方の利用が比較的多いサービスですが、対象が限られているわけではありません。

入る前に必ず確認すること

ここが実務上の核心です。次の3点は、契約前に必ず聞いてください。

そして担当の相談支援専門員に、必ず期限のことを共有しておいてください。期限が来る前から、次の候補(グループホームなど)を並行して探しておく必要があります。

グループホームと、どちらを選ぶか

迷ったときの考え方は、シンプルです。

「暮らす場所」が要るなら グループホーム。期限がなく、生活の場として続けられます
「練習する期間」が要るなら 宿泊型自立訓練。目的と出口を決めて使う

グループホームでも、日々の生活の中で家事や金銭管理の力はついていきます。「訓練してからでないとグループホームに入れない」というものではありません。

グループホームの入居条件については 障害者グループホームの入居条件|断られるのはどんなときか をご覧ください。

似た名前のサービスが多いので注意

この分野は名前が紛らわしく、取り違えが起こりやすいところです。

一覧での比較は 共同生活援助とは?グループホームとの違いと、似た名前のサービスの見分け方 にまとめています。

提案されたときは、必ず正式名称を確認してください。「グループホームみたいなところ」という説明だけで判断しないことです。

まとめ

次に読む
・サービスの違いの一覧は 共同生活援助とは?グループホームとの違いと、似た名前のサービスの見分け方
・入居条件は 障害者グループホームの入居条件|断られるのはどんなときか
・ひとり暮らしへの移行は 自立生活援助とは?グループホームの「次」を支えるしくみ

お住まいの地域にどんなホームがあるかは、全国の障害者グループホーム一覧から市区町村ごとに探せます。

利用できるサービスや期間の取り扱いは市区町村によって異なります。お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご相談ください。

生活介護とは?グループホームと日中活動をセットで考える

グループホームを探しはじめると、必ずもう一つの問いに突き当たります。

「日中は、どこで過ごすのか」

グループホームの多くは、日中は職員がおらず、利用者はそれぞれ外へ通います。つまり住まいと日中活動は、セットで考えないと生活が組み立たないのです。

その日中活動の代表的な選択肢が生活介護です。

利用の要件は市区町村によって運用が異なり、年度ごとに改定されます。このページは全国共通の考え方を整理したものです。ご本人が利用できるかどうかは、必ずお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご確認ください。

生活介護とは

日中、施設に通って入浴・排せつ・食事などの介護を受けながら、創作活動や生産活動を行うサービスです。

「作業所」と呼ばれる場所のうち、常時介護が必要な方が通うタイプと考えるとイメージしやすいと思います。

行われている内容は事業所によってかなり違います。

創作活動 絵画、音楽、手芸、陶芸など
生産活動 軽作業、内職、施設外での活動など。工賃が出る場合があります
身体を動かす活動 散歩、体操、リハビリ的な活動
日常生活の支援 食事、入浴、排せつ。入浴ができる事業所は、ご家族の負担軽減としても大きい
社会参加 外出、行事、地域交流

就労系のサービスとの違い

日中活動には他にも選択肢があり、混同されがちです。

生活介護 介護を受けながら日中を過ごす。働くことが主目的ではない。年齢の上限なく長く通える
就労継続支援B型 雇用契約を結ばずに作業をして工賃を得る。働くことが中心
就労継続支援A型 雇用契約を結んで働く。賃金が支払われる
就労移行支援 一般就労を目指す訓練。期間に定めがある

どれが良い悪いではなく、ご本人に合うかどうかです。「働ける方が上」という見方をしないでください。生活介護でその人らしく過ごすことは、就労と同じだけ価値があります。

利用できるのはどんな方か

生活介護は、障害支援区分による要件があるサービスです。一定以上の区分が必要とされ、年齢によって基準が変わる場合があります。

ここは市区町村や個別の状況で取り扱いが変わるため、「うちの子は該当するか」は必ず窓口か相談支援専門員に確認してください。

区分のしくみと、認定調査で実情を正しく伝える方法については 障害支援区分とは?認定の受け方と、障害者グループホーム入居との関係 をご覧ください。

グループホームとセットで考える

ここが、このページでいちばんお伝えしたい点です。

グループホームを見学すると、多くの事業所から「日中はどちらに通われますか」と聞かれます。決まっていないと、それだけで入居が難しくなることがあります。

理由は単純です。日中に誰もいないホームでは、ご本人が一日中ひとりになってしまうからです。生活のリズムも崩れます。

断られる理由については 障害者グループホームの入居条件|断られるのはどんなときか で詳しく整理しています。

確認しておきたい3つのこと

日中も支援が必要な場合

外へ通うことが難しい方のために、日中サービス支援型というグループホームの型があります。日中もホームで支援を受けられます。

詳しくは グループホームの種類(3類型)の違い をご覧ください。

見学するときに見ておきたいこと

生活介護事業所も、グループホームと同じように見学できます。見るポイントも似ています。

見学の考え方全般は グループホームの見学で必ず見るべき10のポイント と同じです。言葉ではなく、事実で確かめてください。

まとめ

次に読む
・入居条件と断られる理由は 障害者グループホームの入居条件|断られるのはどんなときか
・日中も支援が必要な場合は グループホームの種類(3類型)の違い
・似た名前のサービスの違いは 共同生活援助とは?グループホームとの違いと、似た名前のサービスの見分け方
・日中活動先の選び方は 作業所(就労継続支援B型)の選び方|2か所まで同時に通えることを知っていますか

お住まいの地域にどんなホームがあるかは、全国の障害者グループホーム一覧から市区町村ごとに探せます。

利用できるサービスや区分の要件は市区町村によって異なります。お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご相談ください。

自立生活援助とは?グループホームの「次」を支えるしくみ

グループホームは、多くの方にとって「終の住まい」ではありません。

そこで暮らすうちに力をつけて、ひとり暮らしに移る方がいます。制度も、そういう移行を想定して作られています。

その移行を支えるのが自立生活援助です。名前は地味ですが、「グループホームの次」を考えるときに知っておくべきサービスです。

利用の要件や期間の取り扱いは市区町村によって運用が異なり、年度ごとに改定されます。ご本人が利用できるかどうかは、必ずお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご確認ください。

自立生活援助とは

ひとり暮らしを始めた方のところへ、支援員が定期的に訪問して、暮らしが続くように支えるサービスです。

ここが他のサービスと決定的に違う点です。住まいそのものは提供しません。住まいはご本人が確保し、そこへ支援が「通ってくる」形になります。

共同生活援助(グループホーム) 住まいを提供する。職員がいる場所で暮らす
自立生活援助 住まいは自分で持つ。そこへ支援員が訪問してくる

何をしてくれるのか

訪問して、暮らしが立ち行かなくなっていないかを確認し、必要な手当てをします。

生活の状況確認 食事はとれているか、部屋は荒れていないか、ゴミは出せているか、体調はどうか
お金のこと 家賃や公共料金が払えているか。使いすぎていないか
健康・通院 薬は飲めているか、通院は続いているか
近隣との関係 騒音などのトラブルが起きていないか
関係機関との調整 市区町村、医療機関、日中活動先との連絡
相談対応 困ったときに連絡できる先がある、という安心

「何かあったときに気づいてくれる人がいる」——これが、このサービスの本体です。

ひとり暮らしがうまくいかなくなるとき、多くの場合は突然崩れるのではなく、少しずつ積み重なって手遅れになります。ゴミが出せない、家賃が滞る、通院が途切れる。定期的に人が入ることで、その手前で止められます。

期間に定めがあります

ここは知っておいてください。自立生活援助は、無期限のサービスではありません。

原則として1年間とされており、必要と認められれば延長される場合があります。取り扱いは市区町村によって異なるので、確認してください。

つまりこのサービスは、「ひとり暮らしを軌道に乗せるまでの伴走」という位置づけです。

グループホームとの関係

典型的な流れは、こうなります。

1 実家からグループホームへ。集団生活の中で、家事や金銭管理の力をつける
2 ホームの職員と相談しながら、ひとり暮らしの準備を進める
3 アパート等へ移り、自立生活援助で定期訪問を受けながら生活を軌道に乗せる
4 必要に応じて、他のサービス(居宅介護など)に切り替えていく

また、グループホームにはサテライト型住居という形もあります。本体のホームの近くにアパート等を借りて、ひとりで暮らしながら本体の支援を受ける仕組みです。グループホームと完全なひとり暮らしの中間にあたります。

ホームの型については グループホームの種類(3類型)の違い をご覧ください。

「うちの子には関係ない」と思う前に

ひとり暮らしと聞くと、支援の必要度が高い方のご家族は「うちには関係ない」と感じるかもしれません。

それはそのとおりの場合もあります。ただ、知っておくことには意味があります。

理由は2つあります。

利用するには

他の障害福祉サービスと同じく、市区町村への申請と支給決定が必要です。受給者証にこのサービスが記載されている必要があります。

また、実施している事業所が地域にあるかどうかも確認が必要です。まだ事業所数が多くないサービスなので、お住まいの地域にあるかを相談支援専門員に聞いてみてください。

まとめ

次に読む
・似た名前のサービスの違いは 共同生活援助とは?グループホームとの違いと、似た名前のサービスの見分け方
・ホームの型(サテライト型を含む)は グループホームの種類(3類型)の違い
・暮らしの実際は グループホームの生活の実際|個室・門限・食事・お金はどうなっている?

お住まいの地域にどんなホームがあるかは、全国の障害者グループホーム一覧から市区町村ごとに探せます。

利用できるサービスや期間の取り扱いは市区町村によって異なります。お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご相談ください。

短期入所(ショートステイ)とは?困ってから探しても間に合わない理由

「一晩だけ、どこかで預かってもらえないだろうか」

介護をしているご家族が、いちどは考えることだと思います。冠婚葬祭、ご自身の入院、あるいは単純に休みたいとき。

そのためのサービスが短期入所(ショートステイ)です。

そしてこのサービスには、グループホームを考えているご家族にとって、もう一つ大きな意味があります。後半でお伝えします。

利用の要件や手続きは市区町村によって異なり、年度ごとに改定されます。このページは全国共通の考え方を整理したものです。ご本人が利用できるかどうかは、必ずお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご確認ください。

短期入所とは

障害のある方が、短期間だけ施設に泊まって、入浴・排せつ・食事などの支援を受けるサービスです。

使われる場面は、大きく3つあります。

ご家族の休養 レスパイトとも呼ばれます。介護を続けるために休む——これは正当な利用理由です。遠慮する必要はありません
急な事情 ご家族の入院、冠婚葬祭、出張など
ご本人の経験づくり 家以外の場所で泊まる経験を重ねる。これが後で効いてきます

種類とタイプ

福祉型 障害者支援施設などで実施。一般的なのはこちら
医療型 病院や医療施設で実施。医療的ケアが必要な方が対象

また実施の形態にも違いがあり、施設に併設されているもの、空いている居室を使うもの、短期入所専用の建物で行うものがあります。

ご本人に必要な支援(医療的ケア、行動面の支援など)に対応できるかどうかは施設ごとに違うので、事前に確認が必要です。

利用するには

グループホームと同じく、障害福祉サービスの支給決定が必要です。

ここで大事なのが、受給者証に「短期入所」が入っているかという点です。入っていなければ利用できません。

すでに受給者証をお持ちでも、短期入所が含まれていない場合があります。手元の受給者証を確認してください。含まれていなければ、市区町村に申請して追加してもらう必要があります。

受給者証について詳しくは 障害福祉サービス受給者証とは?取得の流れと、障害者手帳との違い をご覧ください。

なお、利用にあたって障害支援区分の認定が必要になる場合があります。区分については 障害支援区分とは? で整理しています。

いちばん伝えたいこと:困ってから探すのでは間に合いません

ここが実務上の核心です。

短期入所はベッド数が限られており、予約はすぐ埋まります。特に長期休みの時期や年末年始は、数か月前から埋まっていることがあります。

そして多くの施設では、初めての利用の前に事前面談と見学が必要です。つまり——

「明日から入院することになった。今夜どこかに」——この状況では、まず間に合いません。

ですから、次のように動いておいてください。

グループホームを考えているご家族へ

短期入所には、もう一つ重要な役割があります。

ご本人が「家以外の場所で眠れるか」を確かめられるということです。

グループホームへの入居は、生活の場が丸ごと変わる大きな出来事です。いきなり本入居となると、ご本人にも負担がかかります。

短期入所を何度か経験していれば、「知らない場所で泊まる」こと自体には慣れている状態でグループホームに向かえます。これは大きな違いです。

また、泊まった後のご本人の様子——食事、睡眠、帰宅後に落ち着くまでの時間——は、言葉で確認しにくいご本人の反応を読み取る手がかりになります。この見方については 知的障害のある方のグループホーム|支援の中身と、本人の意向の確かめ方 で詳しく書いています。

さらに、グループホーム自体が体験利用を受け入れていることもあります。本入居の空きがなくても体験なら可能な場合があるので、見学のときに聞いてみてください。

費用

サービス利用料には所得に応じた上限があり、多くの方は0円です。別途、食費や光熱水費などの実費がかかります。金額は施設によって異なります。

費用のしくみ全体は 障がい者グループホームの費用はいくら?家賃補助と利用者負担のしくみ と同じ考え方です。

まとめ

次に読む
・似た名前のサービスの違いは 共同生活援助とは?グループホームとの違いと、似た名前のサービスの見分け方
・受給者証のしくみは 障害福祉サービス受給者証とは?
・見学の準備は グループホームの見学で必ず見るべき10のポイント

お住まいの地域にどんなホームがあるかは、全国の障害者グループホーム一覧から市区町村ごとに探せます。

利用できるサービスや必要な手続きは、市区町村によって異なります。お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご相談ください。

成年後見制度を始める前に|デメリットと、もっと軽い選択肢

「親亡き後」を考えはじめると、必ず出てくるのが成年後見制度です。

そして多くのご家族が、こう感じます。「必要らしいのは分かるけれど、よく分からないし、始めるのが怖い」

その感覚は、間違っていません。この制度は、一度始めると原則としてやめられないという重い性質を持っています。だからこそ、仕組みを知ったうえで判断する必要があります。

このページでは、制度の全体像と、あまり語られないデメリット、そしてもっと軽い選択肢を整理します。

このページは制度の一般的なしくみを解説したものです。成年後見制度は法律にもとづく手続きで、ご本人の状況によって適否も進め方も大きく異なります。実際の判断にあたっては、お住まいの市区町村の窓口、地域包括支援センター、社会福祉協議会、家庭裁判所、または弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職に必ずご相談ください。制度は改正されることがあります。

成年後見制度とは

判断することが難しい方に代わって、財産の管理や契約を行う人(後見人等)を決めておく制度です。

グループホームとの関係で言えば、入居契約を結ぶ、預金を管理する、福祉サービスの契約をする——こうした場面で必要になることがあります。

大きく2種類あります。

法定後見 すでに判断が難しい状態のときに、家庭裁判所に申し立てて後見人等を選んでもらう。知的障害のある方の場合、多くはこちら
任意後見 判断できるうちに、自分で将来の後見人を決めておく。契約なので、ご本人に契約する力があることが前提

法定後見の3つの類型

判断の難しさの程度によって、3つに分かれます。数字ではなく、支援の必要度で決まります。

後見 判断することが常に難しい方が対象。代理できる範囲が最も広い
保佐 判断することが著しく難しい方が対象。重要な行為に同意・取消の権限
補助 判断することが難しい場合がある方が対象。必要な範囲を選んで定める

どの類型になるかは、家庭裁判所が医師の診断等をもとに判断します。ご家族が選ぶものではありません。

誰が後見人になるのか

ここが、ご家族の関心が最も高いところだと思います。

親やきょうだいが後見人になれる場合もありますが、家庭裁判所が選ぶため、必ずしも希望どおりにはなりません。弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職が選ばれることも多くあります。

申立ての際に候補者を挙げることはできますが、そのとおりに選ばれる保証はない——この点は最初に知っておいてください。

知っておくべきデメリット

制度の説明では前向きな面が強調されがちですが、負担の側も正直にお伝えします。

原則としてやめられない いちばん重い点です。いったん始まると、ご本人の判断能力が回復するなどの事情がない限り、途中でやめることは基本的にできません
報酬が継続的にかかる 専門職が後見人になった場合、ご本人の財産から報酬が支払われます。毎年、ご本人が亡くなるまで続きます
財産を自由に使えなくなる 後見人はご本人の財産を守る立場です。家族のための支出は原則として認められません
家庭裁判所への報告義務 定期的に収支や財産の状況を報告する必要があります
手続きに時間がかかる 申立てから開始まで、数か月かかることがあります

「将来のために、とりあえず早めに」と安易に始めるべき制度ではありません。必要になったときに、必要な範囲で使う——そう考えるほうが現実的です。

もっと軽い選択肢:日常生活自立支援事業

意外と知られていませんが、成年後見制度より軽い支援のしくみがあります。

日常生活自立支援事業といい、社会福祉協議会が実施しています。

できること 福祉サービスの利用手続きの援助、日常的なお金の管理、通帳や証書の預かりなど
成年後見制度との違い 契約にもとづく任意の支援。やめたいときにやめられます。法的な代理権はありません
向いている場面 不動産の売却などの大きな法律行為は必要ないが、日々のお金の管理に不安があるという段階

グループホームで暮らしていて、お小遣いや年金の管理だけが心配——という状況であれば、まずこちらで足りる場合があります。

利用にはご本人が契約内容を理解できることが前提になります。お住まいの市区町村の社会福祉協議会にご相談ください。

グループホームに入るのに、後見人は必須か

結論から言えば、必須ではありません。

ご家族が契約に関われる間は、それで進むことが多くあります。後見制度が現実的な課題になるのは、ご家族が契約や財産管理を担えなくなったときです。

ですから、順番としてはこうなります。

相談先

この制度は、ひとりで判断できるものではありません。次のような相談先があります。

まとめ

ひとつだけ、知っておいてほしい場面があります

この記事では「急いで始めなくてよい」という立場をとってきました。それは変わりません。ただ、後見人がいないと動けなくなる場面が実際にあることは、知っておいていただきたいと思います。

本人の名前で手続きをする必要が出たとき

ご本人が自分の意思を言葉で示すことが難しい場合、本人の名前で正式な手続きをしようとすると、そこで止まることがあります。

親であっても、成人した子の代理を当然にできるわけではありません。未成年のうちは親権者として代理できますが、成人後は別の話になります。まとまったお金を動かす、契約を結び直す、法的な手続きを進める——こうした場面で、「本人の意思が確認できない」という理由で先へ進めなくなることがあります。

そういうときに求められるのが、本人に代わって判断できる立場の人、つまり後見人です。

必要になってから始めると、時間がかかります

後見の申立ては、家庭裁判所に多くの書類を提出する手続きです。思い立ってすぐ、というわけにはいきません。

だからといって、今から慌てて始める必要はありません。この記事で繰り返してきたとおり、一度始めると原則やめられない制度だからです。

おすすめしたいのは、その中間です。

「必要になったら、まずここに電話する」——それだけ決まっていれば十分です。制度を始めておくことと、段取りを知っておくことは違います。

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・収入の柱については 障害基礎年金とは?請求の流れと、結果を左右する申立書の書き方
・費用のしくみは 障がい者グループホームの費用はいくら?家賃補助と利用者負担のしくみ

お住まいの地域にどんなホームがあるかは、全国の障害者グループホーム一覧から市区町村ごとに探せます。

成年後見制度は法律にもとづく手続きであり、このページの内容は一般的な説明にとどまります。ご本人にとって必要かどうか、どの類型が適切かといった判断は、必ず市区町村の窓口、社会福祉協議会、家庭裁判所、または弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職にご相談ください。当サイトは個別の法律判断を行うものではありません。