施設入所支援とは?グループホームとの違いと、待機が長いことへの備え
グループホームを探すなかで、「うちの子には、グループホームは難しいかもしれない」と感じる場面があります。
支援の必要度が高い、医療的なケアが要る、行動面で手厚い体制が必要——そうした理由で、受け入れ先が見つからないことは実際にあります。
そのときに視野に入るのが施設入所支援です。
先にお伝えしておきます。これは「グループホームに入れなかった人が行くところ」ではありません。必要な支援の量が違うだけで、上下のある選択肢ではありません。
利用の要件は市区町村によって運用が異なり、年度ごとに改定されます。ご本人が利用できるかどうかは、必ずお住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご確認ください。
施設入所支援とは
障害者支援施設に入所して、夜間や休日に、入浴・排せつ・食事などの介護や日常生活の支援を受けるサービスです。
多くの場合、日中は同じ施設内やその近くで生活介護などのサービスを利用します。つまり住まいと日中活動が一体になっているのが特徴です。
グループホームとの違い
| 規模 | グループホームは数名〜十数名。施設は数十名規模のことが多い |
|---|---|
| 職員体制 | 施設のほうが夜間も含めて手厚い体制を組みやすい |
| 医療との連携 | 看護職員の配置や医療機関との連携が、施設のほうが整っている場合が多い |
| 暮らしの形 | グループホームはまちの中の一軒家やアパート。施設は建物の中で生活が完結しやすい |
| 日中活動 | グループホームは外へ通うのが基本。施設は敷地内で完結することが多い |
| 利用の要件 | 施設入所支援は障害支援区分の要件が高めに設定されています |
区分のしくみと、認定調査で実情を正しく伝える方法は 障害支援区分とは?認定の受け方と、障害者グループホーム入居との関係 で整理しています。
「地域か施設か」という言い方について
福祉の分野では、「施設ではなく地域で暮らす」という方向性が制度の基本になっています。グループホームが増えてきたのも、その流れの中でのことです。
この考え方自体は大切なものです。ただ、当事者のご家族としては、こう感じることがあると思います。
「理念は分かる。でも、うちの子を受け入れてくれるところが、実際にない」
この感覚は、まったく正当なものです。理念と、目の前の受け入れ先があるかどうかは、別の話です。
大事なのはご本人にとって必要な支援が、実際に届く場所を選ぶことであって、形式ではありません。施設入所を選ぶことに、うしろめたさを感じる必要はありません。
待機が長いことを前提に動く
実務上、いちばん大きな課題がこれです。
障害者支援施設は、空きが出にくく、待機期間が長くなる傾向があります。地域によっては数年単位になることもあります。
ですから、次のように考えてください。
- 「必要になってから申し込む」では間に合わない。可能性があるなら、早めに相談と申し込みを済ませておく
- グループホームと並行して探してよい。どちらか一方に決めてから動く必要はありません
- 待っている間の備えも要る。短期入所(ショートステイ)に複数登録し、実際に使っておくこと。急な事態はいつ来るか分かりません
見学するときに確認したいこと
施設もグループホームと同じように見学できます。見るポイントは共通していますが、規模が大きいぶん、次の点は意識して見てください。
- 居室は個室か。プライバシーがどの程度確保されているか
- 一人ひとりに合わせた対応がされているか。大人数だと画一的になりやすい部分です。食事、日課、休日の過ごし方に個別の配慮があるか
- 外出・帰省・面会の扱い。地域との接点がどれだけ残されているか
- 職員の入れ替わりの状況。支援の継続性に直結します
- 医療的な対応の範囲。どこまで施設内で対応し、どこから外部の医療機関に頼るのか
- 掲示物や記録が今のものか。更新されているかどうかに、日々の丁寧さが表れます
見学の考え方全般は グループホームの見学で必ず見るべき10のポイント と同じです。言葉ではなく、事実で確かめてください。
施設からグループホームへ、という道もあります
施設入所は「そこで終わり」ではありません。
施設で暮らしながら力をつけて、あとからグループホームへ移る方もいます。制度としても、そうした移行は想定されています。
逆に、グループホームで暮らしていた方が、加齢や体調の変化で施設へ移ることもあります。行き来があるものと考えておくほうが現実に合っています。
まとめ
- 施設入所支援は障害者支援施設に入所して支援を受けるサービス。日中活動と一体になっていることが多い
- グループホームとは必要な支援の量が違うだけ。優劣ではない
- 待機が長い。可能性があるなら早めに相談・申し込みを
- グループホームと並行して探してよい
- 施設からグループホームへ移る道もある。一度決めたら終わりではない
次に読む
・サービスの違いの一覧は 共同生活援助とは?グループホームとの違いと、似た名前のサービスの見分け方
・日中活動については 生活介護とは?グループホームと日中活動をセットで考える
・急なときの備えは 短期入所(ショートステイ)とは?困ってから探しても間に合わない理由
お住まいの地域にどんなホームがあるかは、全国の障害者グループホーム一覧から市区町村ごとに探せます。
利用できるサービスや区分の要件は市区町村によって異なります。お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口、または担当の相談支援専門員にご相談ください。
お住まいのエリアのグループホームを探してみませんか。行政の公開データをもとに、エリア内の事業所を掲載しています。
エリアから探す